去った2019年3月9日(土)、沖縄中部療育医療センター会議室で「沖縄の自然災害を知り、災害時要配慮者支援の手掛かりを学ぼう!」のテーマにキックオフ教育セミナーを開催しました。
会員外を含め41名の参加となり、会議室は満杯。1部2部ともに参加者は真剣な表情で2人の講師のスライドを交えた講演に聴き入っている様子でした。
講師の松原仁先生、神谷大介先生はいずれも琉球大学工学部工学科社会基盤デザインコースの准教授で、島嶼防災研究センターでの活動も兼任されており、短い時間ながら専門的な内容を平易な言葉に変えてお話をされ理解が進むセミナーとなりました。
第1部の松原先生には沖縄の地盤特性と地盤災害について、国内外の事例に加え、沖縄での災害事例も紹介され、私たちも常に自分の住んでいるところや職場の立地環境に意識を向けておく重要性を再認識することができました。
第2部の神谷先生からは、災害時要配慮者支援の課題と対策について、ご自身が被災者として経験された「阪神淡路大震災」を紹介しつつ、災害時に起こる事象によって、一体何が困りごとになるのかをしっかり考えた、平時の取り組みが重要で、日常の活動や業務にどう避難行動要援護者の支援の仕掛けを組み込むかを考える必要があることを強調されていました。
また、個別支援計画が義務になっているにも関わらず、縦割り行政の問題からなかかなか進まない現状があり、いかに多機関と連携を高めていくかが課題であるとのお話をされていました。
さらに、西崎特別支援学校と沖縄水産高校との避難連携の仕組み、泡瀬特別支援学校での個別の避難方法を図示して教室内に添付し、誰もが障がいのある子どもの避難支援者になれる仕掛けについての紹介もされ、実践的で示唆深い講演となりました。
沖縄県理学療法士協会では、昨年委員会が設置され沖縄JRATと連携した減災プロジェクトを少しずつ進めていく予定です。
災害リハに関心のある会員の方は、是非当委員会まで一言お声掛け下さい。一緒に沖縄の災害対応力を平時から高めていきましょう。
(減災プロジェクト委員会 溝田康司)